【砂漠の星に見る夢】
クフはイシスの手を取り、跪いた。
彼の手は、ひやりと冷たい手をしていた。
「こんなやり方をして、きっとあなたは僕を許してくれないかもしれませんが、僕は兄上に花束を渡すあなたを見てから、ずっと想いを抱いていました。兄上の想い人だということは分かっていましたが、どうしても渡したくなかったのです。誰にもあなたを渡したくなかったのです」
クフはそう言って、イシスの頬に手を触れた。
やめて、触らないで!
イシスはギュッと目を閉じた。
そんなイシスの姿を見て、クフは切なく目を細め、
「……憎まれても構いません。僕はあなたを妻にします」
と意を決したように、イシスに口付けをした。
その唇を思い切り噛んで、その体を思い切り突き飛ばして、逃げ帰りたかった。
しかし体のどの部分も動かず、例え動いたとしても両親に火の粉が降りかかることとなる。
イシスは抵抗できないかわりに、ただ目を閉じていた。
「美しいイシス、兄上には渡さない」
クフはそう言ってイシスに覆いかぶさり、強く抱きしめた。