【砂漠の星に見る夢】


『夜になると、空にオーロラという七色の巨大なカーテンが姿を現すんだよ。もう信じられないくらいに美しいんだ。君に見せてあげたい』


ネフェル、あなたの妻になりたかった。


二人で生きてゆきたかった。


王室に嫁ぐ不安も、あなただったらと思っていた。


嘘みたい、さっきまでネフェルと一緒にいて、彼に抱きしめられていたのに。


明日には二人の結婚が認められるって、心から喜んでいたのに……。


イシスの頬に涙が伝った。


涙は、熱く感じられた。


不思議……指一本動かせないのに、涙はちゃんと流れるんだ。


イシスの涙を見て、クフはまた切なく顔を歪ませながらも行為を続けた。


いっそ、意識をも失わせて欲しかった。



イシスは涙を流しながら、強くそう思った。




そうしてその夜、イシスはクフの妻となった。
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