【砂漠の星に見る夢】
「イシス、今すぐは無理だけど一緒に行こう」
「えっ?」
「君の両親を探し出して保護してから、一緒にこの国を出よう」
強い眼差しでそう告げたネフェルに、イシスは目を丸くしたあと、自嘲気味な笑みを見せた。
「ありがとう、ネフェル。
その言葉だけで十分。あなたにはターナ様も生まれて間もない子もいる。それは許されないことでしょう?」
そう言って顔を背けたイシスに、ネフェルは目を伏せた。
「ああ、ターナは大事な妻だし、ヘムオンもかけがえのない存在だ」
ネフェルはそこまで言い「でも…」と顔を上げた。
「誓ったんだ、生涯の妻は君だと」
しっかりとイシスの手を握り、目をそらさずにそう告げたネフェルに、
「ネフェル……」
イシスの目から涙が溢れ出た。
「本当にこれ以上ないくらい幸せな言葉をありがとう。でもあなたは妻や子供を捨てられる人ではないはずよ」
「捨てるなんて言っていない。でも、大きな罪と責任を背負うことになる」
目をそらさずにそう告げたネフェルに、イシスは彼が何を言いたいのか理解できずに眉を寄せた。
「――どういうこと?」