【砂漠の星に見る夢】

「僕は君を連れてこの国を出る。その時には、ターナもヘムオンも君の両親も連れて出るつもりだ」


きっぱりと言い放ったネフェルに、イシスは言葉を失った。


「生涯の妻は君ただ一人と誓った。その誓いを破る形になるけど君をクフの元には置いてはおけない」


イシスはしばし目を丸くしたあと、クスクス笑った。


「あなたらしいわ、ネフェル。これからの未来に降りかかるすべての責任を背負う覚悟で、そう言ってくれたのね」


私も妻も子も私の両親も、欲しいものをすべて連れて行くなんて……。


男らしく明快で豪快な決断。


でも、それは大きな罪と責任を背負うこととなる。


大きな決意を持って、私を連れ出すといってくれたのだ。


私の為にそこまでいってくれる、その言葉こそ宝のように感じた。


「ありがとう」


イシスは息をつき「でも、行けないわ」と目を潤ませた。


「どうして?」


ネフェルは、信じられない、という様子で身を乗り出した。


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