【砂漠の星に見る夢】
「あなたのこともイシスのことも、どうしても手放したくないという、あの子の苦肉の策です。
まったく殿方というのはどこまでも勝手なこと。
愛する者をそう何人も作られるなんて、女から言わせてもらえば言語道断ですが、あの子は果てしなく純粋に、あなたもヘムオンも、そしてイシスも欲しています。
何よりどんな責任でも負う覚悟でいるでしょう。どうか、そんなあの子を分かってあげてほしいのです」
思いもしなかった言葉に、ターナの身体は小刻みに震えることを感じた。
今まで自分は、彼に捨てられることばかり考えていた。
自分も側に置いてもらえるなんて、連れて行ってもらえるなんて考えもしなかったことだ。
ネフェル様が、私のこともちゃんと考えてくれていたなんて。
ターナの目から涙が溢れ出た。
「お、お義母様、私、ネフェル様の側にいられることだけが幸せなのです。
例えあの方がイシス様を寵愛されたとしても、嫉妬はするとは思いますが、側にいられるのならば何があっても耐えられます。
私は今までネフェル様に捨てられると思い込み、怯えてばかりいました」
そう言ってメルサンクの膝にすがり付くと、
「それは可哀想に……つらい思いをしましたね。ネフェルは決して、あなたを見放したりしません。安心なさい」
と優しくターナの頭を撫でた。
笑みを浮かべていたメルサンクだが「ん?」と喉に手を当て、みるみる顔を歪ませた。