【砂漠の星に見る夢】
イシスはそんなクフを初めて哀れに感じた。
なりたくもないファラオに祭り上げられ、今は亡きネフェルの影と日々戦って来たのだ。
何もかもがストレスだったに違いない。
愛を求めても受け入れてもらえず、やがてその心は砂漠と化したのだろう。
そして彼は民衆のことなど考えられない、自分のことしか考えられない人になってしまったのだ。
その責任は私にもある。
……そう、民衆が苦しんでいるのは、私の責任でもある。
イシスは強くそう思い、頭を抱えるクフの髪に手を触れた。
クフは一瞬体をびくつかせ、戸惑いの表情を浮かべた。
「それはお可哀想に……今まで本当にお辛かったでしょう」
優しい口調でそう言うと、クフは驚いたようにイシスを見た。
「イシス?」
「たった、お一人で苦しんでこられたんですね。これからは私になんでも話してください。あなたのお力になりたいのです」
イシスが優しく微笑みかけると、クフは目を見開いた。
「…………ッ」
少しの沈黙のあと、クフはイシスの膝にしがみつき、嗚咽を漏らし泣き崩れた。
イシスは子供のようにむせび泣く、クフの頭を優しく撫でた。