【砂漠の星に見る夢】
「そなたを兄から奪い、良心の呵責に悩まされたが、他の何を兄に譲ってもそなただけは渡したくはなかった。
……だがそうして、まるで物のようにそなたを手に入れた報いは今も受けている」
「報い?」
「ああ、私は一生、どんなにそなたを愛しても、そなたに愛してもらえることはないのだろう。そなたの愛する兄上は死んでしまった。死んだ者にはどう足掻いても敵わない。
日に日に兄上そっくりに育つ幼いヘムオンに嫉妬を抱く馬鹿げた日々だ。そんな無能なファラオだ。民衆に馬鹿にされても仕方あるまいな。
……何をしても駄目なファラオと罵倒されるなら、歴史に名を残すような悪王となってみせてもいい」
クフはそう言って顔を引きつらせ、頭を抱えた。