【砂漠の星に見る夢】
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7年後。


11歳だったヘムオンは、18歳の青年と成長していた。


クフ王のピラミッドはほぼ完成し、あと残すところは仕上げのみだった。
天まで届くほど巨大なピラミッドの上空には巨大なオシリスの船が停泊し、その光景は圧倒されるものがあった。


7年間ピラミッド建造の現場監督を務めた家臣のカイはピラミッドを見上げ、胸を熱くさせていた。


「まさしく、後世に受け継がれる最高の建造物です。来週の完成式が楽しみですね」


熱っぽく告げたカイに、隣に立つヘムオンもピラミッドに目を向けたまま小さく頷いた。


「ああ、そうだな」


「このピラミッドのお陰で王室の財産が市民に流れエジプトは飢饉と破滅から救われました。多くの命を救ったこの偉大な建造物は後世に渡りエジプトの宝となるでしょう」


感慨深そうに目に涙を浮かべたカイに、


「そう言ってもらえるなら、私も罪を犯した甲斐があるよ」


とヘムオンは目を細めた。


「―――罪?」


小首を傾げたカイに、ヘムオンは何事もなかったように笑顔を見せた。


「さぁ、後は仕上げだけだ。カイ、手伝ってくれよ」


そう言って駆け出したヘムオンの後をカイは慌てて追いかけた。

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