【砂漠の星に見る夢】
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『エジプトのギザに人知や常識を超えたピラミッドが建造された』というニュースは国内を留まらず海外にも広まり、多くの外国人がエジプトに興味を示した。



完成式を前に『王の間』に訪れていた皇太后ヘレスは、胸を躍らせていた。


「ファラオ、いよいよ完成式ですね。あなたの威信は国内外に知れ渡ることでしょう。そうしたならばヘムオンばかりを支持する民衆の鼻を明かすこともできるでしょう」


興奮気味に語るヘレスに、クフは椅子に腰をかけたまま愉快そうに笑った。


「あのピラミッドはヘムオンが建てたものです。ヘムオンが支持されるのは当然のことでしょう」


ニコニコ笑いながらそう告げたヘムオンに、ヘレスは煮え切らないように睨みつけ、


「ファラオ、どうしてあなた様はそんなに気の抜けたことばかりおっしゃるのですか!」


とヒステリックな声を上げた。


「それは私の台詞ですよ。あなたは皇太后とまでなりながら、これ以上なにをそんなに望むことがあるのです」


そう言うクフに、ヘレスはイライラしたように舌打ちした。


「私の望むものは、山とあります」


「一体何を?」


「まずは、私個人の軍隊と毒見係を倍に増やしてもらいたいのです」


そう言って勢いよく身を乗り出したヘレスに、クフは怪訝に眉をひそめた。


「どうしてですか?」
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