【砂漠の星に見る夢】

「ピラミッドの内部では常に螺旋状の巨大なパワーが発生する仕組みになっています。
その目には見えない巨大なパワーはピラミッドの先端から、遥か遠くの宇宙に向かって発信され続けます。

……それはつまり宇宙にいる仲間に早く迎えに来てくれというオシリスの心の叫びだったのです」

ヘムオンはモニターを眺めながら、切なくそう呟いた。


イシスは、オシリスの切ない気持ちが伝わってくるようで、思わず目を細めた。


何年も何十年も何百年経っても、その肉体が朽ち果て、新たに子孫を生み出していっても、その血と同じように『帰りたい』という意志を受け継いでいくなんて……切ない程に故郷を欲していたのだろう。


仲間を待っていたのだろう。


地球人と結婚し、大事な掟を忘れてしまっても、『帰りたい』という本能だけは、強く強く受け継いだのだ。


その本能からピラミッドを建造の知識を受け継ぎ、建造することを望んだのだ。


「やがてピラミッドはオシリスの真の目的とは裏腹、ファラオの富と権力の象徴になり代わりました。つまりオシリスにとって、より建造しやすい環境となったのです」


ヘムオンはそこまで言い、息をついた。


「ですが、それはしてはいけないことだったのです」


「掟だったから?」


「はい、その掟にはちゃんと大事な意味がありました。
自分達の星は高度な文明により滅んだのです。未発達の星に移住しそこに自分達の高度な文明を持ち込んでしまうというのは、この星の運命を変えてしまうことに繋がりかねないからです。
結果、この星も北極星のように滅ぼしてしまうこともありえるからです。
その為、自分たちの文明を持ち込んではいけないと固く仰せつかったのです」


イシスは黙って、ヘムオンの言葉に耳を傾けていた。
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