【砂漠の星に見る夢】
「何年経っても何十年経っても何百年経っても迎えは来ませんでした。オシリスの血を引く者は自然にその知識と『故郷に帰りたい』と思う心が受け継がれて行きました。
あまりに長い歳月が経ったが為に帰りたい心ばかりが先行し、いつしか授かった掟を忘れてしまったのです。いえ、意図的に忘れたのかもしれません。そして天才宰相イムホテプは遂にやってしまったのです」
「ピラミッド建造を?」
「はい」
「でも、なぜ故郷に帰りたいと思う心がピラミッド建造に結びつくの?」
理解できずに眉を寄せるイシスに、ヘムオンがまたあるキーを押すとモニターにピラミッドの画像が映し出された。
「宰相イムホテプはファラオに『ピラミッドの内部は素晴らしいパワーを持ち、その肉体は朽ち果てず、やがて復活する時に必要なもの』とそそのかし、ピラミッドを建造しました。素晴らしいパワーを持つというのは嘘ではないんですが、彼は自分がピラミッドを建造したいという欲望を抑えられずに、言葉巧みにファラオを利用したのです」
そう言ったヘムオンに、イシスはまだ解せないように眉をひそめた。
「なぜそんなことを?」
「ピラミッドは宇宙に向けての発信機です」
キッパリとそう言い切ったヘムオンに、イシスは目を見開いた。
―――宇宙への発信機?