【砂漠の星に見る夢】
「なんて、ずんぐりとしたピラミッドなんだ。こりゃ、どこかで計算ミスしたかな」
ネフェルは、へレスの侍女に細工されたことに気付かぬままそう言って額を押さえた。
「参ったな。……今から直すとなるとひと仕事になるし、まったくちゃんと確認するんだった」
と苦笑しながら、まじまじとモニターのピラミッドを眺めた。
「作り直すの?石はもう固定しちゃってるんでしょう?」
「いや、これはこれでいいとしよう」
そう言って笑顔を見せたネフェルに、「これでいいの?」とイシスは目を丸くした。
この変な形のピラミッドをファラオにお披露目したら大変なことになるのでは?と懸念していると、
「ああ、考えがあるんだ。さっ、皆に話しがあるから船を出よう」
と言ってネフェルはイシスの肩を抱きニッと笑みを見せた。