傍にいさせて
そんな感じでしばらく二人と話していたら、廊下から話し声が聞こえてきて、教室の後ろの扉が開いた。
「ごめんね〜みんな、お待たせ」
「ほんとだよ」
「このまま夏恋だけ連れて帰ろうかと思った」
教室に入ってきたのは、桐山さんたちだった。
入ってきて一番に口を開いたのは相楽さんで、湊くんたちが相楽さんに口撃していた。
そんな笑顔で言わなくていいのに…。
私が苦笑いしていると、ケータイにメールが来たことを知らせた。
差出人を見ると、お母さんからで、内容を見た瞬間、ケータイを落とすかと思った。
「どうかしたか?」
「あ…宝条さん…」
動揺した私を不思議に思ったのか、宝条さんや桐山さんだけでなく、じゃれていた湊くんたちも、私を見た。
どう説明していいか分からず、メール画面をそのまま見せた。
内容は、
《夏恋ー!学校お疲れ様!突然だけど、今日湊くんたち連れて帰ってきてね!
P.S.夜ご飯の材料も、5人前×3…まぁ15、6人前だね!
スーパーで買ってきて!お金は、龍崎ですーって言えば何とかなるから、じゃぁよろしくね!》
である。
メールでもテンションが高い…。
「なるほどね」
「……驚かないの?」
「だって、俺ら知ってたし」
「……何で言ってくれなかったの?」
とりあえず、先輩に詰め寄るわけにいかないので、湊くんたちを問いただす。
すると、後ろから楽しそうな声が上がった。