先輩がドジ女に恋をした。


「おい。いくら幼なじみだからって呼び捨てはやめろよ。」


「いや、それはさすがに無理っすよ。

いまさら堀川、なんて呼べませんって。
ちっちゃいときからこの呼び方ですから。」



「うん、わかってるけど・・・。」


自分が無理難題を言っているのは充分わかっている。



「・・・・でもさ。」


だって、頭で考えるより、先に口が動くんだよ。




耳が、おまえからその名前を聞きたくないって拒絶するんだ。





「先輩、もうそんなに好きなら告ったらどうですか?」


「え!?」



考えていたことの図星をつかれたからなのか

単純に恥ずかしくなったからなのかわからないけど


俺は大げさに反応した。




「なにビビってんすか?

たぶん、イケると思いますけど。」




いや、なに言ってんだよ・・・・・。




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