後ろ姿に恋してる

……はっ!!


パチリと開いた目。
ぞっとするくらい冷えた身体。
早鐘を打つ心臓。

「……た…か………?」

貴亮の名前は震えていて、ちゃんと発音出来ない。



「……ハル…?」

眠そうな目を擦りながら貴亮はあたしを呼んだ。


「……大丈夫だよ…」

俺がいるから。

ゆっくり身体を抱きしめられて、早鐘を打つ心臓は落ち着いていった。


「………ほらね?」

ねぇ、貴亮。そう言って笑うあなたを今この瞬間…


あたしは掴まえたくなった。

乱暴に抱きしめて、二度と離したくない。


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