追いかけて繋ぐ恋
「じゃあ、別々に観るか?」

吉永くんがうんざりしたように言う。

それじゃあ、一緒に来た意味がない。

私は一緒に観たい。


「ジャンケンしよう!」

私は右手を出した。

「よし!」



結果…



ホラー映画を観ている。


私がビクビクするたびに、吉永くんはクスクス笑っていた。

笑い声がむかついたけど、本当に怖くて怯えていた。


段々体が縮まる私に手を出した。

出された手を疑問に思って顔を見たら、「手を貸して」小さい声がした。


手を出すとギュッと握られた。
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