追いかけて繋ぐ恋
「吉永!」

外を見ていた吉永くんが先生を見た。

「前に出て、この問題を解きなさい」

吉永くんは無言で黒板の前に立った。


いつも授業なんか聞いてないのに…大丈夫なの?

心配になってきた。


ところが


手を休めることなく、スラスラと答えを書いていった。


書き終わって、先生を威圧感たっぷりな目で見る。


先生は唖然としていた。
きっと出来ないと思っていたのだろう。


「正解だ」
赤いチョークで大きく丸を付けた。

吉永くんは無言で席に戻った。


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