逢いたくて
「ありがとう」

「ん?」

「生まれてくれればなんだってできるけど生まれるまでは咲に任せるしかない」

「大丈夫」

「俺が父親かぁ…ぶっ」

「なに?」

突然渉が全身を震わせて笑い出した

「幸せが爆発した」

「ふふっ」

私たちはしっかりと抱きしめあった

ふとお腹に手をあててみる

「ここにいるんだね」

「うん」

「なんか…不思議」

「あぁ。順番が違ったことどう思ってる?」

「順番?」

「ん?いやぁ…話し合ってはいたけど結婚より先に妊娠したからさ。本当はどうおもってたかって」

食事を終えてソファーの上

渉が私のお腹にハーフケットをかけてくれていた

「渉。」

「ん?」

「すっごく幸せ。それが答え」

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