逢いたくて

背伸び

『ガチャ~ン!』

「咲っ!?」

派手に食器を落としてしまった

静かに朝食の支度をしていた時だったから余計に渉がびっくりしてとんできた

あ~なんでこんなにそそっかしいんだろ…

「ごめんね起こしちゃった」

「咲一回座れ」

渉が寝癖頭のまま私を支えてソファに連れていく

「でもお皿っ」

「いいから」

ソファに座るとすぐ脈をはかりおでこに手が伸びてきた

「微熱だな」

「妊娠してるから」

「貧血がひどいな」

「妊婦だし」

「脈も早い」

「ごはん急いで作ってたから」

完全に医者の顔…

「病院行こう」

「えっ?その必要はないわ」

「だめ」

「だって今日は大切なパーティーでしょ」

「そんなの関係ないだろ?」

「渉のためのパーティーなのに」

「俺にはそんなことより咲と息子のほうが大事だ」

数日前にこのパーティーの話が来た

渉が正式に医院長になるための顔見せのようなパーティー

これからのためにとても重要

なのに…
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