逢いたくて
「泣き虫~」

そういわれても涙は止まらない

幸せで…

幸せで…

私がずっと求めていた愛に

今包まれていることが信じられない

お風呂からあがった私に渉が用意していたサプライズに

私の涙腺が決壊した

それは…



庭で綺麗に輝く手づくりのクリスマスツリー




きっと渉は夜勤あけ眠らずに寒い中ツリーを飾り付けてご飯を作ってたんだと思うと泣かずにはいられなかった

渉の愛が嬉しくて涙が止まらない

私たちは明かりもつけずにソファに包まり抱き合っていた


寒さを感じないような温かい光りが満ちる


「本当はこのツリーを見ながらプロポーズしようと思ってたんだけど…俺が言わずにいられなかった」

そう言って無邪気に笑う渉のすべてが愛しい


私が求めていた幸せはやっとこの手に掴み

もう手放さないと私は心に決めていた

なのに…





掴みかけていた幸せは簡単に私の手から逃げていく…

そのときはまだ想像すらしていなかった…
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