付き合ってるのよ?
諦めが悪いんだよ、こいつ。


まだ、ブーブーと文句を言っている。


こいつ……俺がさっきぶん殴るって言ったの聞こえなかったのか?


どうやら、俺の弟はMらしい。


どうやら、俺に殴ってもらいたいらしい。


なら、遠慮なく……。


バタンッッッ。

俺が拳を構えたとき、姉さんがいきなり俺の部屋に入ってきた。


チッ。


タイミング悪すぎだ。


姉さんは不機嫌な表情で、服がちらかった俺の部屋を見まわした。


そして余計機嫌が悪くなったらしく。


眉間にシワを寄せ、言った。


低い声で。


「今日は行かないで」





「………は?」


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