purelove

新しいスタート

PiPit…。PiPit…。PiPit…。
セットしたアラームが時間ですよ!っていわんばかりに鳴り続ける朝。
私は眠たい目をこすりつけながら、目覚まし時計の方に手を伸ばして音を止めたの。
でもなかなか目が覚めずそのままの体勢で夢の中に…。

「こりゃ~若葉!!
いつまで寝てるつもりだぁ~!!」

目覚ましを止めてまた二度寝に入りそうだった私を大きな声でとめたやつが一匹…。

「…ちょっと陸兄…。
勝手に人の部屋にノックなしで入らないでくれない!」
「あ~ん!ちゃんとノックもしたし外から声もかけました!おめぇ~が全然返事しないのがわり~んだろうが!」
「返事するまで声かければいいじゃん!」
「じゃちゃんと自分で起きろや!毎朝毎朝起こしてもらうなよな!!」
「う~…。陸兄なんか大嫌い!部屋から出ていけ!!」

図星をつかれて何も言い返せないでいる私。
確かに陸兄が言う事が正確なんだよね。
セットしてあるんだから一回で起きないとね…。
「若葉!陸!朝からケンカはいいから早く朝ご飯食べなさいよ。でないと遅刻するわよ!」

キッチンからママの声が部屋中に響き渡る毎朝の日課。
ママは陸兄とのケンカは毎度の事みたいに普通にスルーしてる。

「は~い!制服着替えたらおりる~!」

陸兄は何も返事せずに子供みたいに、私にあっかんべ~をしてからキッチンの方におりていった。ムカつく~!!
私より四つ上のする事!?
私は陸兄の行動に腹立てながら、制服に着替えた真っ白のブラウスに首もとが赤と青のチェックのリボン。スカート丈を膝から上に直して…。あとひじに紺色のブレザーとカバンを持ってとりあえずバタバタ下におりていったの。

「おはようママ!」

口にゴムを加えて朝の挨拶。
これが毎朝私の定番。
そしてテーブルには朝ご飯、その前にはパパとさっき口ゲンカした陸兄、そして陸兄の双子の緑兄が席に着いていた。

「朝から若葉はいつも元気だね」とパパ。
「陸とのケンカは毎朝の日課だね若葉」
と笑顔の緑兄。
「…もうちょっと女の子らしくしてほしいものだわ」とため息混じりのママ。
「起こすこっちの身にもなれよな!」バカみたいに怒ってる陸兄。
家族が揃っての朝食タイム。当たり前の毎日の始まりなんだ。

「おはよー!若葉」
朝食タイムを終えて身だしなみもちゃんと整えていつも通りの通学路を登校していると、後ろから友達の沙紀が声をかけてきた。
「おはよう沙紀!」
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