死神の嘲笑
「かつて、或る事情で私が想いを寄せていた死神の命が奪われました。単に優秀ではないから、という理由ではなかったので、彼女の骨は埋められることなく、死神王が住む宮殿のゴミ箱に捨てられる予定でした」


一息つきたいのか、死神は背後に視線を投げ掛けた。

開け放たれた扉から見える風景。


火の輪くぐり。

巨大なトランポリン。

空中バレエ。


まるで世界に自分一人しかいないと思っているような顔付きで、サーカスに出てきそうなパフォーマンスに励む人々。

尋常とは言い難い彼らを見た四人は、すっかり言葉を失っていた。

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