死神の嘲笑
別の高校に入学してからも、健太の『生きている』証の贈り物は毎年一度、絶えることがなかった。

それも、毎年色が異なるのだ。

「また、風水か……」

思わず、独り言が漏れるが、決して悪い意味のものではない。


高校入学後、少しずつ友達ができ始めた梓は『普通』に確実に近付いている、と思えるようになっていた。



そんな梓に転機が訪れたのは、高二の夏のことだった――。

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