死神の嘲笑
「俺、これでも弁護士志望なんだ。それで、関東に法学部が有名な大学がある。俺はその大学志望にすることを、完全に決めたんだ」

健太から大学名を聞き出すと、梓も耳にした経験がある、一流大学だった。

「そう。頑張ってね」


健太がいたから、私はここまで『生きて』こられたんだよ。

だから、あなたが傍にいないと不安。


そのようなことは、口が裂けても言えなかった。

これまでお世話になった彼に、今まで以上の迷惑を掛けることはできない。

彼の夢を、応援するしかなかった。

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