魔物に恋をしてしまった

「勝手にするの止めてよ…」

「朝 いろいろ誤魔化すときに困ってただろ?だから、とりあえず いつも一緒にいるってことにしといたから」

「は?何それ!?」

「もう人とは余り関わるな。昨日のお前とは違うんだぞ?」

「昨日あたしはちゃんと人間だって言ってたでしょ?」

「俺が守るのはお前だけだし、お前と親しい奴まで守る保証はできねぇ。キズつくのは、お前だぞ」

「あたしの周りにいる人達も危険な目に逢うってこと!?」

「確率的に利用される方が高い。」


利用?


「例えば親しい奴を使ってお前を殺させようとしたり、拐ったり」




…今更ながらに思う 。


どうして こんな損な役回りを引き受けてしまったんだろう。


誰かに命を狙われるとか 自分が魔王だなんていう実感はない。


隣にいる 人間離れした美青年がいるから、なんとか空想世界じゃないことを認識できている状態だ。


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