魔物に恋をしてしまった

「ケチ」

でも、やっぱり味がわかんないなんて可哀想…

季節は秋。でも風はあんまり冷たくないし太陽だって出てて暖かい。

逆に気持ちがいいくらい



こんな風に穏やかだと魔王になったとか嘘みたい…




「蘭はさ。何で魔族の長になりたかったの?」

「は?」

「だって名目上は魔王の下につかなきゃいけないんでしょ?でも蘭そういうの面倒くさそうだし よく引き受けたなって。」

「もし魔族の長を他の奴になられてみろ。俺の権力はそいつより下になる。だからだ」


「あはははっ!それだけの理由で子供みたい!!」


普段カッコつけてるのに意外と年相応に子供なのが面白くて笑いが止まらない。

言わなきゃ良かったと不機嫌な顔をしている蘭の横で笑い続けた。

「うるさい。」


ん!

笑い続けてたあたしの口に入ってきたのはあたしの嫌いなプチトマト


蘭が投げ込んだらしい


仕方なくなるべく味わうことがないようにプチトマトを我慢して食べる

「ちょっと蘭。何するの?」

「ずっと口が開いていたからこれが欲しいのかと思って食べさせてやっただけだけど?」







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