彼氏くんと彼女さんの事情
「ね、どこ行く?」
「優愛が行きたいところでいいよ」
「えー」
高貴はいつも私の行きたいところで良いと言うのだ。
本当に私の行きたいところで良いのかわからず、いつも何処へ行こうか迷う。
「じゃあ、何か食べた後ウィンドウショッピングしたいな」
「いいよ」
デートの時によく行く、学校からも近い大きな駅へ向かう。そこには食べる所もあるし、モールもあるのだ。
歩きながら、肩が触れそうな位高貴の方へ寄ってみた。
「えへへー楽しみ」
満面の笑みで呟くと、高貴も少し頬を緩めふわりと笑う。
いつもは無愛想だが、時々そうやって優しい笑顔を浮かべるから胸がキュンとする。
「うふふ、ラブラブー」
「………」