彼氏くんと彼女さんの事情
「明日から、朝一緒に行けないから」
…え?
な、なんですと!?
「これから朝は早く登校して、学校の自習室で勉強するから」
「勉強ー!?」
朝まで勉強!?
私より勉強を優先……
まぁそれは、仕方の無い事だけれど…。
「それなら私も一緒に早く行くよ!」
「お前勉強しねーだろ」
「うっ…でも、」
「良いから、俺に付き合わなくて」
だってちょっとでも高貴と一緒に居たいのに…。
「わかったよ…勉強頑張ってね」
「ん、じゃおやすみ」
そう言うと、まだ余韻に浸っていたい私に構わず、高貴は私に背を向けて歩き出した。
「あっ高貴…また明日ね!」
高貴の背中に向かって声を張ると、高貴は振り返りもせず手をヒラヒラと振っただけだった。
「冷たい……」