彼氏くんと彼女さんの事情


* * *



「ねぇ、何か気づかない?」




昼休み。


今日も、コンビニのパンを食べている春川くんの席に来ていた。




「……何か気づくって?」



寝ぼけ眼で聞き返す春川くん。半分寝ているのか声がちゃんと出ていない。




「起きて!……ほら、何か変わったでしょ、気づかない?」



髪を触りながらもう一度訊いてみる。



春川くんは、暫しの間私のことをじっと観察したあと「ああ」と口を開いた。




「もしかして、太った?」



「ちがーーう!!!!」




何なのそれ!?


太ってないし!!




「髪の毛だよ!切ったの」

「髪の毛……あぁー、そういえば……?」




そう言いながらも首を捻っている。
……ここまで言ってもいまいち分かっていない様子。



「春川くん、切った方がいいって言ってたじゃない」

「んー…そうだっけ」




は、春川くん……忘れっぽすぎる……。

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