彼氏くんと彼女さんの事情
春川くんとまともに話したのは日曜日にデートをした時だけだ。
学校ではほとんどいつも寝ているし、昼休みに話しかけても「あぁー」とか「んー」とか、気のない返事ばかり。
メールはほぼ毎日送っているけれど、返ってきたことなんて1、2回程度。
勿論、電話を掛けても出てくれたことなんてない。
これが付き合っているなんて言えるのだろうか。
否、言えないよね。
振り向いて貰えるように頑張ろうと思ったけれど、――正直、春川くんが私に興味を持ってくれることなんて無いのではないか、と思う。
……このまま付き合っていていいのかな?
「ちょっと、中原さん」
放課後。日直の仕事を終え教科書を詰め込んだカバンを手に席を立つと、同時に教室に入ってきた高倉さんたちに声を掛けられた。
私が一人教室にいるところを狙って入ってきた――みたいな、絶妙なタイミング。
「……何?」
平静を装い、彼女たちを真っ直ぐ見つめる。
明らかに世間話をしに来たような雰囲気ではない。目が……怒っている。
「中原さんって春川くんと付き合ってるの?」
高倉さんが言った。私はしらっとした表情で答える。
「そうだけど」
「……中原さんから告ったの?」
「うん」
こくりと頷く。