お仕置きゲーム2
「...昨日、宇野博隆と真咲には会ったわよね?」
「...ああ。」
会ったっていうか、会わされた、というほうが正しいのだけれど。
「初めから話すと長くなるけど、いい?」
「いいよ。」
田辺智香はフェンスに寄りかかり、話を続ける。
「宇野博隆は、真咲や周囲の人たちを狂わせた最低な奴なの。」
「狂わせた?」
「ええ。保育園に通っていた頃、公園で遊んでいた真咲と私を含む4人の幼馴染に目をつけた宇野博隆はある日、自分の兄を使って真咲と女の子...美紀を連れ出して強姦し、真咲の目の前で美紀を殺したのよ。」
衝撃的事実に思わず目を見開き、息をのんだ。
「それから、真咲が可笑しくなって、美紀が死んだのは自分のせいだって思い込んで、自分の人格を殺して、美紀になった。」
「...美紀に、なったって?どういう、事だよ。」
「自分の人格を、美紀そのものに変えてしまったのよ。だんだんと女らしく、美紀そっくりに近づいていく真咲に驚いたわ。」
鳥肌がたった。現実味がない話は信じがたいものだったが、それを語る田辺智香の表情が嘘ではないと告げている。背筋がぞくぞくした。
「更に宇野博隆は、真咲の父親まで狂わせて真咲の前で何人もの女性を強姦させ、殺させた。美紀の死を忘れさせないためにね。...真咲はだんだんと歪んでいって、ある日、美紀を今度こそ護り抜くために、消した自分の人格を呼び起こし、そして、自分の中にある美紀の人格に害をあたえようとするものを殺して行った。」
「ッ、嘘、だろ。」
「それが、一年前の事件よ。自分の父親からはじまり、学校の教師、そして私。」