愛恋歌-tinkle tone-

鈴の行方



「お腹減ってたんだね…」



空の皿を横に子犬のスヤスヤと寝息をたてる音が聞こえてくる。

ミルクを入れた皿を置くと一目散に走ってきてあっという間に飲み干してしまった。


満足そうに眠るまで私も彼も一言も言葉を交わさず見入ってたけど、その沈黙を破ったのは私のほう…



「寝てる姿はかわいいのに…」

さっき全身の水を浴びせられたことを思い出してそんな言葉がでた。



「…ありがとう」

半ば溜め息混じりの私の横からそんな言葉が聞こえてきた。

その声の主はもちろん彼。
不思議そうに目を向ける私に彼は目尻を下げて


「こいつを助けてくれて…」


そう言った。

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