舞い散る花の導く先に
沖「具合はどう?」

呉「大丈夫です。」

私は沖田さんがずっと私の瞳の奥を覗いていることに気が付いた。

沖「じゃあ広間に行こうか?みんなもう起きてるよ」

呉「え?こんな朝早くから?」

沖「正確に言えば寝てないだけなんだけどね。歩ける?」

呉「あ、はい・・・・」

私は沖田さんから体を離して一歩歩く。

するとまたふらついて倒れそうになる。

沖「おっと」

とっさに沖田さんがまた支えてくれる。

呉「す、すみません!!」

沖「あはは。なんで謝るの?歩けないみたいだからこうしよっか」

次の瞬間私の体はふわりと浮いていた。

呉「えっ!?」

沖田さんに抱えられて歩き出す。

呉「お、沖田さん!!私、歩けますから!!

僕の腕の中で顔を真っ赤に染めて呉羽ちゃんが弱弱しく声を上げる。

僕はそんな姿が面白くてわざと聞こえないふりをする。

ふらふらな体の彼女を歩かせるわけにいかないからね。

そして僕たちは広間に向かった。

広間について座らせるまで呉羽ちゃんはずっと口をぱくぱくさせて面白かった。

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