大人的恋愛事情 SS
 
これが総務と合同の新年会でなければ、俺も同じことを思っただろう。


無駄な付き合いなど切り上げ、さっさと帰って自分の時間を過ごしたいに決まっている。


腹の中ではどうでもいいと思いながらも、綺麗な顔に笑顔を作りやり過ごす大人の女。


そんな冷たいとも言える、ある意味可愛げのない女の隣に座りながら、ますます興味と憧れが募る気がした。


それから三十分、相変わらず部長の愚痴を聞き続け、酒を飲み続ける繭にそう言ったのはこの状況に俺が苛立ち始めたからだ。


きっとまったく面白くもないだろう繭は、それを微塵も顔には出さない。


だから酔って愚痴を零し続ける部長が気付くはずもない。


それでも繭の面白くないような感情は隣に座る俺に、微妙に伝わってくる。


だからと言って、誰かに助けを求めるわけでもなく、他の人間に振るわけでもない。
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