大人的恋愛事情 SS
「何がいいかわからなかったし、プレゼント用意してねえ」
「……うん」
「一緒に買いに行って……」
「ねえ」
「ん?」
「キスして……」
買い物の話しなど今はどうでもいい。
それより……。
「やっぱ誘ってんじゃねえかよ」
そんなことを笑っていう藤井祥悟が、向かい合う私を引き寄せキスをしてくれる。
深く熱いキスに、息が上がりその先を待っているというのに、一向に進まない行為に焦れる私はそのシャツに手を伸ばす。
ボタンを一つづつ外すと、やけに締まった身体が現れ、その滑らかな肌に手を滑らせると、呆れて笑う男が声を出す。
「ケーキは?」
「後でいい」
「今しなくてもいいんじゃねえのか?」
「そう?」
「別に後で……」
後でもいいなら、別に今でもいいんじゃないの?