君はボクの天使?
手元のゴミ袋をブラブラさせながら閉店後のちょっとだけ照明の落ちた通路を歩く

アイシャドーやグロスなんかのテスターが乗った什器も
若い子向けの服を着たマネキンも
昼間とはうって変わって、静かにたたずんでいる

他の売り場も閉店作業を終え、既に店員はまばらだった

従業員用の重たい扉を開けて階段を降りる
途中のダストボックスにゴミ袋を思い切り投げ込むと、一日が終わったという実感が疲れと共にジワジワと沸いてきた

トモと会う予定さえ入っていればこんな疲労感は感じなかったはずだ

従業員用出口に向かいながら私は

『チッ』

と、舌打ちをした
< 8 / 106 >

この作品をシェア

pagetop