君はボクの天使?
待ち合わせの駅の改札は
夕方のラッシュで混雑していた

行き交う人波の中をキョロキョロ探していると
こちらへ歩いてくるリクちゃんを見つけた

「つぐみちゃん、お待たせ」

リクちゃんは急いで来てくれたようで
ちょっと息を切らしていた

「ごめんね、忙しいのに」

「とりあえず、どこかでお茶する?」

「うん」

私達は、歩き出した

なんだろう久しぶりに会ったからか
リクちゃんの雰囲気が違って感じる
なんとなく男らしいというか
落ち着いた、というか

会えた嬉しさよりも
リクちゃんの変化にモヤモヤした

駅から近い通りのカフェに入ると
リクちゃんは私にメニューを手渡しながら言った

「つぐみちゃん、お腹空いてない?ハニートーストとか食べる?」

「ありがとう、でもリクちゃんも忙しいし、今日は大丈夫だよ」

相変わらずのリクちゃんの優しさにホッとする
でも一緒にいられる時間は本当に限られていた

どう、切りだそう・・・
飲み物をオーダーしたら
少しづつ緊張してきてしまった

「リクちゃん、何か雰囲気が変わった気がする」

緊張を振り払いたくて思わず聞いた

「そう?髪色変えたからかな?」

「ホントだ、ちょっと黒くしたんだね」

よく見ると、リクちゃんの金髪のトーンが落ちている事に気づいた

「うん、久しぶりに暗めにしてみた」

そのせいなのかな、落ち着いて見えるのは

私は改めて
リクちゃんを見つめた

会いたかったよ、と
言いたい
でも何から伝えればいい?

「つぐみちゃんは、結婚式の準備とかで忙しいんじゃない?」

リクちゃんがサラッと言った
私を言葉を詰まらせた






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