百鬼夜行の主~番外編~

やっぱりグロい…私はスクリーンを見ながら思った。


R-15なんじゃないかと思える過激すぎる内容に、私は頭が痛くなった。


しかも、周りからはバカップルの黄色い悲鳴と気持ち悪いくらいの甘い台詞が聞こえてくる。上映マナーなんてお構いなしで言うもんだから、さすがにイラついてくる。

イライラを落ち着かせようと、私はジュースをのむ。甘酸っぱいジュースが口いっぱいに広がり、少しだけイライラが緩和された。瞬間、

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

スクリーンいっぱいに、髪を振り乱す青白い顔をした女性が映り、私の喉から自分のものとは思えないほど高い声が響いた。

反射的にとなりに座っていた鬼灯にしがみつく。急に抱きつかれた鬼灯はうろたえながらも私の頭を撫でた。

「やっぱりむりむりむりむり!!怖い怖い怖い!!」

「主様、落ち着いて」

落ち着けるかぁぁぁぁぁ!!私はそう叫びたくなるのを堪え、涙目で鬼灯にしがみついた。


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