百鬼夜行の主~番外編~
私は顔を合わせないため、俯いた状態になった。
鬼灯は多分、今でも清々しいほどの笑顔でいるだろう。
「愛してますよ。主様」
鬼灯が耳元で囁いた。私の顔はさらに真っ赤になる。
雪羅は上機嫌でこちらの事などお構いなしに鼻歌を歌っている。
顔は上げないままだが、鬼灯はクスクスと楽しそうに笑っているだろう。
昔から初心だったのに、私と付き合いはじめて仮面の裏を見せたように初心だった頃の鬼灯の面影は消え失せていた。
おかげで私よりも上手になり、何時も顔を真っ赤にさせられている。今日も完敗だ。
それが何故か凄く悔しくて、私は顔もあげれないまま、心地よい風鈴の音と雪羅の鼻歌を聞いていた。
~END~