雪桜 -無くした愛・消えた心-
「夢の中で、
ずっと一緒にいた気がする」
「夢の・・・中、」
*
いた
俺はまだ、颯葵の中にいる
小さな夢として
俺という存在が残ってる
諦めかけていた心に
暖かい何かが灯った。
*
「いやあぁあぁあっ!!!!!」
「えっ?さ、颯葵!?」
急に颯葵が悲鳴を上げた
何かあるのはわかってる
けれど俺には何もできなかった
「どうした!?」
「先生、國本さんが!」
看護師と医師の動きが
目の前でぐるぐる回ってる
颯葵・・・
お前、本当にどうしたんだよ