【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
私は、深々と頭を下げた。今、圭君はど
んな顔をしているんだろう。
私には、それを確認する勇気はないけど
。
──夏だというのに、吹き過ぎる風が妙
に冷たかった。
「ごめんなさい。圭君の事は好きだけど
……恋愛対象では、ないから」
そう言うと、柔らかい、優しい圭君の声
が、上から降ってきた。
「椎名……顔、上げてよ」
そう言われて顔を上げた私をみて、圭君
は笑った。
笑いながら、私を優しく抱き寄せた。