不良だらけの危険なバイトッ☆

…隼人


怒っていたはずなのに、その表情がたまらなく愛しくなって。


あたしは気づいたら隼人の手を握りしめていた。


「莉子…」


隼人が驚いたように呟いた。


「さっきのキス…ほんとに恥ずかしかったんだから」


「…悪い」


「あたしばっかり振り回されてドキドキして、隼人はいつも平然としててさ」


「…そういう風に見えてた?」


困惑した表情。


声が焦っている。


「違うの?」


問いかけると隼人は眉間にしわを寄せながら額に手をあてた。


そしてあたしの頭をぐしゃっと撫でた。


「…んなわけねえだろバカ」


…バカって!!


「俺の方が余裕ないんだよ…!本当はあいつらが利子にキスするの見て、嫉妬してた」

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