不良だらけの危険なバイトッ☆

嫌がるユキくんの手を掴む。


自販機の明かりがユキくんを照らした。


そこで見えた彼の顔も手も浴衣も…



真っ赤な血で染まっていたんだ。


これはいったい…。


「ちっ…」


悔しそうな表情を浮かべるユキくんだけど…。


「ゲホッゴホンゲホゲホッ」


またすぐに咳き込んでしまった。


「ユキくん!!!」


「…ゴホンゴホンッ…ぐはぁっ」


口元を抑えたユキくんの手のひらに滲んでいく。


吐血…


まさかこの血…全部自分で…。


「きゅ、救急車呼ばなきゃっ!!」


携帯を取り出して番号を押していく。


「1、1…」


「やめろ…っ」


ユキくんが急にあたしの腕を掴んだ。

< 195 / 527 >

この作品をシェア

pagetop