不良だらけの危険なバイトッ☆
嫌がるユキくんの手を掴む。
自販機の明かりがユキくんを照らした。
そこで見えた彼の顔も手も浴衣も…
真っ赤な血で染まっていたんだ。
これはいったい…。
「ちっ…」
悔しそうな表情を浮かべるユキくんだけど…。
「ゲホッゴホンゲホゲホッ」
またすぐに咳き込んでしまった。
「ユキくん!!!」
「…ゴホンゴホンッ…ぐはぁっ」
口元を抑えたユキくんの手のひらに滲んでいく。
吐血…
まさかこの血…全部自分で…。
「きゅ、救急車呼ばなきゃっ!!」
携帯を取り出して番号を押していく。
「1、1…」
「やめろ…っ」
ユキくんが急にあたしの腕を掴んだ。