不良だらけの危険なバイトッ☆

絞り出すような声が、ユキがどれだけの不安に脅かされているかを、示しているようだった。


「どこにも行かない、ちゃんとユキのこと待ってるよ」


「絶対…?」


「うん」


その言葉に背中を押されたのか、ユキがジャケットを羽織った。


「すぐ戻ってくるから、絶対一人でいるなよ。俺が出たらすぐ、カフェに行け。そこにはみんないるから」


「わかった。大丈夫」


そう答えたら、もう一度、抱きしめられる。


「じゃあ、行ってくるから」


頭をぽんぽんとすると、ユキは部屋を出て行った。


あたしのために…、


ありがとう、ユキ。







「ほんと、ユキは勘がいいよな」


後ろからの声に、体がビクッと震えた。

< 387 / 527 >

この作品をシェア

pagetop