不良だらけの危険なバイトッ☆

「…え?」


「ずっと前からこんな生活してるからこれがもう普通」


「…そうなんだ」


瀬戸君は表情一つ変えることはない。


さっきの2万円の件もだけど…


「そんなにお金貯めて…どっか旅行でも行くの?」


あんまり事情とかは聞けないからあたしはそう言った。


そしたら瀬戸君は


「まあ、そんなところかな」


すごく切なそうに笑ったんだ。


瀬戸君が笑ったところを初めて見たのにあたしはなんだか泣きそうになった。


こういう感情をなんて言っていいかわからなくて…。


あたしは何も言えなかった。


「…いいからもう寝ろ。俺は店のソファーで寝るから」


瀬戸君は何事もなかったように体を起こす。

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