不良だらけの危険なバイトッ☆

「さすがのエロ王子には俺も敵わないな」


カウンターの向こうで服部さんの笑顔が見えた。


「えっ、一哉くんの方が上じゃ…」

「遼、なんか言ったか?」

「いえ何も」


服部さんに睨まれて藤堂君はイスの物陰に隠れた。


そんな和やかな光景をみたらあたしの心も穏やかになった。


外見は怖ーい不良にしか見えないし、怒らせたらヤバいことになりそうだけど。


でも本当の彼らは優しい人なんじゃないかってあたしは思い始めている。


ソファーの背に乗せた両腕に顔を預けるように眠るユキ君に毛布をかけながらそんな事を考えていた。


「ユキずるいっ!!莉子ちゃんに毛布かけてもらってさ」


藤堂君が横で頬を膨らませているから藤堂君にもかけてあげた。


「ありがとうっ」

「っひゃ!!」

チュッと音を立ててほっぺたに口づけられた。


男の子はどこまでいっても狼なんだけど。


それでも今までとは違う何かが少しずつ


少しずつ…

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