ペンネームはKとM
ヤコさんとマサ君


こうしてまた再会することも。


部屋に招き入れることも。


マサ君の好きなココアを用意することも、


振り返り、ソファに座るマサ君の背中を眺めることも。


望んでいたことじゃなく、


これが私の当たり前なんだ。


でも一つだけ…。


「どうしたの?」


引っ張ってやった。


赤いネクタイを。


「変?」


「じゃないけど、サイズ違くない?」


「買ってから太ったんだよ、接待とかあるし」


「ふ~ん」


気のない返事とは裏腹に、


黒い腹がニヤリと笑う。


私、意外と献立ちゃんとしてたから。


ハンバーグの半分は豆腐だって今でも知らないはず。


でも。


シャープな横顔じゃなくなったけど、


大人っぽくなったな。




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