焼け木杭に火はつくか?
「よく気付いたわね、そんなことに」
「興味あったから、食いもんには。全員の弁当にから揚げ入っていたときに、一口ずつ貰って食べたことあって。そしてら、同じ味だったから。ああ、そういうことかって……なんとなく、判ったような」
「から揚げの味で判ったって、どんな舌だよ、サトルくん。すげーな」

感嘆と驚愕が半分ずつ混ざっている良太郎の声に、聡は思い返すように話す。

「良太郎のは生姜と大蒜使ってた。下味は醤油。秋穂と英吾のはローズマリーの香りがしたんだ」
「ローズマリー?」
「ハーブだよ。おメーの家の庭にもあるべ」
「判んねえ」
「あとでおばちゃんに聞け。そのローズマリーの匂いがしたんだ、あいつらの唐揚げは。下味は塩コショウ」
「すげーな。その舌」
「オイラにとっちゃ、商売道具だからな。ローズマリー、どれくらい使ってんのかなと思って英吾に聞いたら、あいつキョトンとしてて。あぁ、作ったの英吾じゃねーのかって気付いて、秋穂ちゃんが作ったのかって聞いたら、白状した」
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