焼け木杭に火はつくか?
聡の店を初めて訪ねたその夜、良太郎の家に夕飯を食べにやってきた英吾と道代に、珈琲飲んできたけど美味かったなあと漏らしたことから、しばし『Waoto』の話しで三島家の食卓は盛り上がった。

「コーヒーだけじゃないよ。結構、ケーキとかもね、うまいの」
「紅茶も、種類はそんなに多くいなんだけど、やっぱり上手に淹れるわよ」

道代と英吾のやりとりを、良太郎は黙ったまま聞き入った。

「ナボリタンとかオムライスとかも、チョーうめーの」
「チーズのリゾットも美味しいんだから」
「ビールもあるから、仕事が早かったときは飲みに寄ったりするんだ」
「母さんね、夏になるとモヒート作ってもらうのよ。おいしいのよ」
「俺も。俺も。アレ好き。仕事中はね、お酒拭いて作ってもらうんだ」
「いいわね。それ。ミントソーダよね。今度、頼もうかしら」
「そうゆうわがままも、聞いてくれるんだよ、サトルさんって」

良太郎を見ながらそう言って、すげいよねえと感心した。
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